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世界/3 inter-face
world/3 inter-face

8mmfilm / 3min / 1996

●8ミリフィルムによる光の描画シリーズ。
広角レンズにNDフィルターをつけた8ミリカメラを抱え、歩きながらバルブクランクを廻し長時間露光を行う、というこのシリーズの方法論を用い、カメラを自分自身に向けて「自分撮り」を行った。

●NDフィルターと長時間露光の組み合わせは撮影可能な光量幅がきわめて大きく、ビデオカメラですら撮影が困難な暗所から明るい日中まで撮影が可能になる。 また被写界深度が深い、固定焦点の広角レンズを用いる事で、時間と場所を問わず自分撮りが可能となった。 常にカメラを身近におき朝から晩まで、自分のアパート・職場・街中・車内・コンビニなどで撮影を行った。

●自分を撮影すると言う事は、ある種の矛盾をはらむ事になる。カメラを向けるべき主体である撮影者は作品世界に於いて世界に対して視線を振り撒くゼロ地点といえる。その特異点を被写体とすることで、クラインの壷のような意味的なループが生じることになる。そして主観的な歪みとブレを加えた映像は、背景の風景と混ざり合ってゆく。

●作者の内側と外側。カメラの内側と外側。スクリーンのこちらと向こう。内側へと向かうベクトルと外側に向かうベクトル、
これらを言葉によって構成し、8ミリの2つの音声トラックに男性の声と女性の声で録音を行った。

PERSONAL FOCUS 1996 <フィルムメーカーズフィールド、福岡・山形・東京ほか>

作品プレビュー(3分)

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