MIR
(Video/12min/2004)

●限られた時間の中に、無限の時間が存在する。
これがスローモーション・エフェクトである。
ビデオにおける最もポピュラーな特殊効果である、この効果によって作られる世界を、我々は本当に理解しているのだろうか？

●この作品では、学生たちと過ごした合宿の一日の日常の一瞬を切り取り、そこに１／１２８倍速の超スローモーション・ビデオ空間を現出させた。
肉体では知覚できずにただ過ぎ去ってゆくその瞬間は、ファンタジーとリアリティの狭間に存在する。

● MIR（ミール）とは、ロシア語で「世界」「平和」などの意で、ロシアの古い村落共同体の呼 び名。
そして廃棄され墜落したロシア（ソ連）の大型宇宙ステーションの名でもある。
日常生活を送るその同じ一瞬、はるか彼方の構造物の中でも等価な時間が流れ、それぞれの現実が紡がれ続ける。

　

真夏のキノキュッヘ　日本新作プログラム＜2004年、東京＞ 　
ダンス白州アートフェスティバル　映像の森ワークショップ＜2007年、山梨＞