位相 Phases of real
(Video/30min/1997)

●日常的な居酒屋での飲み会と、突然の祖母の死。画面上のテロップ文字とコンピュータ音声によるナレーションによって人間関係を巡る物語が構成されてゆくフェイク・ドキュメンタリー。

●ビデオモニター内の関係性に意味を付与するのは、それを見る者であり、 モニター内の真実とはそれを観る者の脳の中にのみ存在する。
日常の中に潜むフィクションとノンフィクション。この世界にはそれらがボーダーレスに存在し、そのグラデーションが我々の現実を織り上げている。

●認知症だった祖母は死の前の数年間、孫の私を私と認識できなかった。
それは私にとっての祖母の死を微妙に遠いものにした。
彼女が大事にしていたアルバム。そこから紡ぎ出される物語。
私が彼女を悼むにはそれが必要だったのだ。

台湾国際ドキュメンタリー映画祭1998　コンペティション部門＜1998年、台北＞
山形国際ドキュメンタリー映画祭1997　日本プログラム＜1997年、山形＞ 　
第一回調布実験映画祭　奨励賞＜1997年、東京＞ 　
横浜美術館上映企画「虚構と現実の狭間で」＜2000年、横浜＞ 　
Images Festival 2001　Japan Focusプログラム＜2001年、カナダ・トロント＞
SWEET SWEET MEMORY　日本特集プログラム＜2003年 韓国・ソウル＞　

　

(C) Kawaguchi Hajime